DOLL
BL/純愛/R指定
小噺 後悔、先に立たず
ち、ちゃんとキョウさんとしたかったです。
お薬なんて飲まなくてもキョウさんと……せ、せ……せ、っくす……したかった。
キョウさんの望むようにしたかった。キョウさんが喜んでくれるような、M役の人と同じこと、してあげたかった。
キョウさんが優しいのはわかってます。
でも……けど……。
「だから縛って欲しいと言ったのか?」
馬鹿だな、とキョウさんが俺の頭を撫でました。
き、緊縛は酔った俺が言ったことで……その、あまり覚えてないんですけど……。
でも。キョウさんが満足するようなことを……俺なんかができるわけ……なかったんだ……。
「それがバカだって言ってるんだよ」
「ふあっ? んんうっ!?」
ぐいっと、力強い腕によって、俺の頭が枕から引き剥がされる。
反射的に振り向けば、目の前にキョウさんの顔がありました。
突然塞がれた唇に驚いたけど、嬉しさが募ります。
縛られた痕など残っていない俺の手は、自然とキョウさんの背に回っていました。
「キョウさん」
「オレはお前に触れるだけで…十分だって思うほどだぜ? あんまり舞い上がらせるな」
酒だけあれば十分だな、と。ふわりと微笑むキョウさんはカッコよかった。
「昼まで寝るか。たまにはアイルを働かせる」
いつもは俺一人が眠るだけの、そんな狭いベッドの中で、今はキョウさんと二人。
俺が落ちないように、後ろからギュッと抱き締めてくれます。
トクトクと波打つ鼓動が、幸せを教えてくれます。
「キョウさん」
「ん?」
「大好きです」
「だから、舞い上がらせるなっての」
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